あなたのめまいの原因は脳?耳?首?

「なんとなくフワフワする」「景色がグルグル回る」—―めまいは非常によくある症状で、当院にも多くの方が受診されています。めまいの原因は多種多様で幅広いため、「少し休めば治るだろう」と軽く見過ごされがちですが、中には命に関わる重篤な病気のサインである場合があります。
このコラムでは、めまいの3つの主な原因と特徴、そして「この症状は病院に行くべき?」といった疑問にお答えし、特に注意すべき受診の目安を分かりやすく解説します。
知っておきたい!めまいの主な原因となる3つの部位
めまいの原因は大きく分けて「脳」「耳」「首」の3つの部位に分けられます。

1. 脳疾患が原因のめまい【命に関わる可能性も!?】
脳の疾患が原因のめまいは、頻度は低いものの命に関わる危険性があるため、特に注意が必要です。
原因
脳梗塞、脳出血、脳腫瘍、脳循環障害など
- 脳梗塞を起こした患者さんの約40%にめまいの自覚症状があることがわかっています。
特徴
- 浮動性・動揺性のめまいが多い(ふわふわする、揺れている感覚)
- しびれや脱力感を併発する場合が多い
重篤な病気が隠れている可能性があるため、素早く診断し、早急に治療を開始することが重要です。
2. 耳が原因の内耳性めまい【めまいの中でも最も多い!】
このタイプはめまいの中で最も頻度が高く、多くの患者さんが該当します。
原因
良性発作性頭位めまい症、メニエール病、慢性中耳炎など
- 特に良性発作性頭位めまい症は、耳の奥にある三半規管内のリンパ液に老廃物(耳石)が貯まることで、バランス感覚の調整がうまくいかなくなり発症します。
- 睡眠不足や心配事といった「ストレス」が重なることが老廃物が貯まる原因になることがあります。
特徴
- 回転性のめまいが多い(ぐるぐる回っている感覚)
- 吐き気が強くなりやすい
- 寝返りをうつ、パッと立ち上がる、急に振り向くなど、頭の向きを変えた際に生じることが多い
- 命に関わる場合はほとんどない
リンパ液内の老廃物を除去するために、理学療法やお薬での治療が行われます(効果には個人差があります)。
3. 首が原因の頚性めまい【凝りや炎症もめまいの原因に!?】
原因
加齢による頚椎(首の骨)の変形に伴う血管の圧迫による血行不良や、むち打ち症のような首の後ろの筋肉や靭帯の炎症・コリなど
特徴
- 後頭部から後頚部にかけて重たい感じがする
- 目の前が真っ暗になるような非回転性のめまいが生じる
治療として筋肉の緊張を和らげる薬剤の処方や、頚椎牽引療法などが行われます。
「この症状は病院に行くべき?」受診の目安と病院の選び方
めまいを感じたとき、脳神経外科と耳鼻科、どちらを受診すれば良いか迷うことが多いと思います。めまいの症状に加え、次に挙げるような症状が一つでもあれば、すぐに脳神経外科の受診をお勧めします。
すぐに脳神経外科へ!
脳の疾患が疑われる場合は、一刻を争う対応が必要です。下記の症状が出た際はすぐに脳神経外科へ受診しましょう。

耳鼻科も検討!
めまいが回転性で、脳の症状を伴わず、耳に異常を感じる場合は耳鼻科での対応となる可能性が高いです。
- 耳鳴りや耳閉感: 耳の詰まった感じやキーンという音を伴う
- 回転性のめまい: 景色がグルグル回っている
当院の検査と診断の流れ
当院を受診した場合、迅速かつ正確な診断を行うために、以下のような流れで診療が進められます。
- 診察・問診
- めまいの種類(回転する、ふわふわするなど)や、どのようなときに起きるか、その他の症状の有無などを詳しくお尋ねします。
- 当日検査(CT・MRI)
- 脳疾患の有無を素早く確認するため、CTやMRI検査を行います。
・脳梗塞や脳出血などの病気が見つかった場合は、一刻も早く適切な治療を開始するために入院が必要となります。
・吐き気が強い場合は、検査前に吐き気止めの点滴を行い、落ち着いたところで検査を始めることも可能です。
- 結果説明と治療方針決定
- 診察と検査の結果に基づいて原因を診断し、治療方針を決定します。
・脳に病気が見つかった場合は、点滴や薬での治療、リハビリテーションが行われます。
・首や耳が原因の場合は、症状に応じた薬の処方や、姿勢の改善、生活指導などが行われます。
日常生活でできるめまいの予防と対処法
めまいの原因にはストレスや生活習慣が大きく関わっている場合があります。日頃から予防を心がけましょう。
1. ストレス対策
耳が原因のめまい(内耳性めまい)は、ストレスによって発症しやすくなります。適度な有酸素運動や栄養面の工夫によってストレスを軽減できます。
有酸素運動:ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は、下半身の筋肉から脳への刺激により、ストレス解消に効果が期待できます。無理のない範囲で、まずは5~10分から継続することが大切です。家の中でできる踏み台昇降などもおすすめです。
栄養素:ストレスに対抗するために消費される栄養素を意識して摂りましょう。
- ビタミンB1(豚肉、鶏レバー、牛乳など):不足するとイライラ、不眠、めまいにつながる可能性があります。
- ビタミンC(果物、野菜など):ストレスに対抗するホルモンの材料になります。
- カルシウム(乳製品、大豆、いわしなど):脳の興奮を抑える働きがあります。ビタミンDと一緒にとると効果的です。
2. 水分補給を忘れずに
水分が不足すると、熱中症や倦怠感だけでなくめまいのリスクにもつながります。特に暑い季節でなくても、水分補給はしっかり行いましょう。
3.十分な睡眠時間を取りましょう
睡眠不足は内耳の血流低下や自律神経の乱れ、ストレスのもととなり、めまいの原因となります。十分な睡眠時間を確保し、めまいを予防しましょう。

まとめ
めまいの症状は、ほとんどの場合が命に関わらない良性のものですが、脳の病気が隠れている場合は早期の診断と治療が必須です。
めまいと一緒に「手足のしびれ」「強い頭痛」などの症状がある場合は、迷わず脳神経外科を受診してください。
当院では、充実した医療機器を駆使し、受診日当日でのCT・MRI検査が可能です。めまいでお困りの際は、お気軽にご相談ください。