後頭部痛に要注意!血管が裂ける!?動脈解離とは?

突然の激しい頭痛やめまいは、私たちをとても不安にさせます。その中でも特に、「血管が裂ける」という響きから、多くの方が恐怖を感じる病気の一つに「動脈解離(どうみゃくかいり)」があります。
動脈解離は、その症状が「いつもの肩こりや頭痛」と間違われやすいことから、診断が遅れてしまう場合があります。

この記事では、動脈解離とは何か、特に日本人に多い「椎骨動脈解離」のサイン、そして「この症状は病院に行くべき?」という受診の目安について解説します。
1. 動脈解離とは?
動脈解離とは、文字通り血管の壁がはがれてしまうことを意味します。これは、脳に血液を送り込む主要な血管、特に椎骨動脈や内頚動脈といった首の血管に起こることが多いです。

近年、MRI(磁気共鳴画像装置)の性能が向上したため、以前はカテーテル検査まで行わなければ診断が困難だった解離が、MRI検査を受けるだけで診断できるようになってきています。
特に注意すべきは「椎骨動脈解離」
日本人の場合、脳に血液を送る椎骨動脈に解離が起こることが多いとされています。この椎骨動脈の解離が起こると、特徴的な症状が現れます。

2. こんな症状に要注意!
後頭部から後頚部にかけて痛み
血管が裂けたときに、身体には「痛み」が生じます。
椎骨動脈解離の典型的な症状は、後頭部から後頚部にかけて痛みが持続することです。

「単なる肩こりからの頭痛だろう」と思っていた痛みが、実は椎骨動脈の解離が原因であったというケースもあるため、注意が必要です。
めまいを伴う場合も
椎骨動脈は、耳の奥にあるバランス感覚を司るセンサーや小脳にも血液を送っています。そのため、動脈解離は突然のめまいで発症する場合もあります。

もし突然めまいに襲われた際は、後頚部に痛みがあるかどうかを確認することが非常に重要です。痛みを伴う場合は、椎骨動脈の解離がないかを調べてもらう必要があります。
3. 放置するとどうなる?命に関わる危険性も
動脈解離が進行すると、以下のような重篤な病気を引き起こす可能性があります。これらはすべて「二次性頭痛」に分類され、治療が遅れると命に関わる危険があるため、絶対に見逃してはいけません。

4. 「この症状は病院に行くべき?」受診の目安と検査
動脈解離が疑われる場合、迅速な診断と治療が必要となります。特に以下の症状を伴う場合は、迷わず脳神経外科を受診してください。
受診の目安となる症状
後頭部から後頚部にかけての痛みが持続する
椎骨動脈解離の典型的な症状です。
突然のめまい
椎骨動脈の血流障害により発症する場合があります。
上記に加えて、麻痺やしびれ、強い頭痛がある
脳梗塞やくも膜下出血を合併している可能性があります。

病院での検査と診断
頭痛やめまいで脳神経外科を受診した場合、外傷の既往がなければ、脳梗塞やくも膜下出血などの重篤な病気が隠れていないかを確認するために、頭部MRI検査が行われます。

当院では、充実した医療機器を駆使し、受診日当日でのMRI検査が可能です。
5. 治療と予防:日頃からできること
治療の基本は「安静」と「血圧管理」
動脈解離の治療は、多くの場合、裂けた部分が自然に修復されるのを待つことになります。そのため、安静にすることと、血圧を安定させることが重要となり、厳重な経過観察が必要です。
ただし、脳梗塞やくも膜下出血を合併した場合は、それぞれ内科的治療や脳外科的な手術が必要となります。
予防の第一歩は「血圧管理」
動脈解離の発症リスクを高める要因として、血圧が高すぎることが挙げられます。
予防するには
血圧管理: 高血圧の方は、日頃からしっかりと治療を続けることをお勧めします。高血圧は血管にダメージを与え、動脈硬化を引き起こし、脳卒中のリスクを高めます。
生活習慣の改善: 脳卒中の危険因子として、喫煙や多量飲酒が挙げられています。日頃から、タバコの吸いすぎや過度のお酒、高血圧に注意しておくことが重要です。

動脈解離は、突然の激しい症状で私たちを襲いますが、その予兆となる後頭部痛やめまいを「見逃さない」ことが、早期発見・早期治療につながります。少しでも不安な症状がある場合は、迷わず脳神経外科病院にご相談ください。